令和2年度木戸病院病院指標

年齢階級別退院患者数
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位5位まで）
初発の5大癌のUICC別病期分類ならびに再発患者数
成人市中肺炎の重症度別患者数等
脳梗塞の患者数等
診療科別主要手術別患者数等（診療科別症例数上位5位まで）
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

当院ではDPCデータから全国統一の定義と形式に基づく指標を作成し、数値やデータの特性を把握し解説する事により木戸病院を皆様に理解していただく事を目的として病院指標を公開しております。
公開している病院指標は令和2年4月1日から令和3年3月31日までの期間に当院を退院された患者様を対象に集計しています。

集計対象は医科保険適用の患者様でDPC対象外の患者様は除いています。
集計の結果、患者数が10に満たなかった場合には「－」で表示しています。

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢は入院時の満年齢として計算しています。

年齢区分	0～	10～	20～	30～	40～	50～	60～	70～	80～	90～
患者数	148	29	68	88	170	299	527	1079	1077	459

【特性】
新型コロナウイルス感染症の流行により、入院患者が全年齢層で前年度より減少しました。当院では産婦人科・小児科も標榜しており幅広い年齢層の患者を受け入れています。

診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位5位まで）ファイルをダウンロード

診断群分類をもとにして診療科毎に症例数上位5つの診断群分類について集計しています。当院は平成28年度よりDPC対象病院となりました。本項目ではDPC請求を行った患者様を対象に集計していますので、出来高算定を行っている場合には集計の対象外となっています。

内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
060100xx01xxxx	小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術	120	2.32	2.66	0.00	65.16
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症手術なし	107	28.92	13.00	7.48	82.55
050130xx9900xx	心不全手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし	101	30.84	17.23	2.97	84.77
040081xx99x0xx	誤嚥性肺炎手術なし手術・処置等2なし	93	34.94	20.51	15.05	86.40
10007xxxxxx1xx	2型糖尿病（糖尿病性ケトアシドーシスを除く。）手術・処置等21あり	65	18.83	14.60	6.15	66.88

【特性】
※内科には循環器内科・呼吸器内科・糖尿病内科・内分泌内科・腎臓内科・消化器内科が含まれています。当院では急性期病棟のほかに地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟があります。当院で急性期治療から回復期まで一貫して治療を行うことができます。そのため全国平均よりも平均在院日数が長くなる傾向があります。また、特徴として内視鏡の治療件数が多いことや、高齢者による誤嚥性肺炎での入院も多くいます。

外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	平均年齢
060160x001xxxx	鼠径ヘルニア（15歳以上）ヘルニア手術鼠径ヘルニア等	63	5.10	4.86	71.37
060035xx99x6xx	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍手術なし手術・処置等26あり	40	4.23	4.51	72.40
060035xx010x0x	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍結腸切除術全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等手術・処置等1なし定義副傷病なし	23	28.52	16.19	74.96
060150xx99xx0x	虫垂炎手術なし定義副傷病なし	22	9.14	7.17	43.00
060335xx02000x	胆嚢炎等腹腔鏡下胆嚢摘出術等手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし	19	12.95	7.23	59.21

【特性】
外科では鼠径ヘルニアの手術に対する入院が最も多く、次いで大腸の悪性腫瘍に対する術後の化学療法や、手術の患者が多い傾向にあります。

整形外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
160690xx99xxxx	胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。）手術なし	81	36.35	18.81	2.47	82.21
160800xx01xxxx	股関節・大腿近位の骨折人工骨頭挿入術肩、股等	64	45.25	25.09	6.25	82.72
070230xx01xxxx	膝関節症（変形性を含む。）人工関節再置換術等	19	34.00	23.36	0.00	75.42
070370xx99xxxx	脊椎骨粗鬆症手術なし	15	22.07	21.71	0.00	85.33
160980xx99x0xx	骨盤損傷手術なし手術・処置等2なし	15	32.00	19.06	6.67	82.53

【特性】
整形外科では高齢化社会を反映して、胸・腰椎の圧迫骨折や大腿骨頚部骨折での入院が多くなっています。平均年齢が80歳以上であることから、平均在院日数も全国平均より長い傾向にあります。

産婦人科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
140010x199x0xx	妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害（出生時体重2500g以上）手術なし手術・処置等2なし	38	3.26	6.13	0.00	0.00
12002xxx02x0xx	子宮頸・体部の悪性腫瘍子宮頚部（腟部）切除術等手術・処置等2なし	-	-	3.11	-	-
120170x099xxxx	早産、切迫早産（妊娠週数34週以上）手術なし	-	-	7.62	-	-
120140xxxxxxxx	流産	-	-	2.42	-	-
120165xx99xxxx	妊娠合併症等手術なし	-	-	11.19	-	-

【特性】
産婦人科では分娩を扱っていることから、新生児の高ビリルビン血症での入院が最も多くなっています。分娩に関しては保険診療と保険外診療の組み合わせが多く、保険診療のみの入院として集計した本指標には件数として集計されていません。

眼科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
020110xx97xxx0	白内障、水晶体の疾患手術あり片眼	273	2.87	2.76	0.00	74.76
020180xx97x0x0	糖尿病性増殖性網膜症手術あり手術・処置等2なし片眼	-	-	6.98	-	-
020200xx9700xx	黄斑、後極変性手術あり手術・処置等1なし手術・処置等2なし	-	-	6.30	-	-

【特性】
眼科では白内障疾患での手術目的の入院が最も多くなっています。

耳鼻科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
030250xx991xxx	睡眠時無呼吸手術なし手術・処置等1あり	132	2.00	2.04	0.00	41.07
030240xx99xxxx	扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎手術なし	19	5.26	5.63	0.00	47.79
030400xx99xxxx	前庭機能障害手術なし	14	6.43	4.94	7.14	68.57
030428xxxxxxxx	突発性難聴	12	8.50	8.81	8.33	65.17
030390xx99xxxx	顔面神経障害手術なし	10	8.50	9.17	0.00	59.30

【特性】
耳鼻科では睡眠時無呼吸症候群に対する検査入院が最も多くなっています。次いで扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎が多くなっています。

神経内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
040081xx99x0xx	誤嚥性肺炎手術なし手術・処置等2なし	18	41.61	20.51	11.11	79.67
010060x2990201	脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）手術なし手術・処置等1なし手術・処置等22あり定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2	12	21.50	15.54	0.00	76.50
010160xx99x00x	パーキンソン病手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし	11	41.91	18.20	0.00	81.45
010060x2990200	脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）手術なし手術・処置等1なし手術・処置等22あり定義副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5	-	-	18.97	-	-
030400xx99xxxx	前庭機能障害手術なし	-	-	4.94	-	-

【特性】
神経内科では脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、多系統萎縮症、筋萎縮側索硬化症患者を主に入院治療しています。他院からの脳梗塞や脳出血後のリハビリ転院患者も受け入れています。

泌尿器科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
110080xx991xxx	前立腺の悪性腫瘍手術なし手術・処置等1あり	16	2.00	2.54	0.00	72.63

【特性】
泌尿器科の入院症例は、前立腺癌疑いに対する前立腺生検だけで、局所麻酔で検査を行い１泊２日の検査体制となっています。（令和2年10月で生検は終了としました。）

初発の5大癌のUICC別病期分類ならびに再発患者数ファイルをダウンロード

5大癌の患者様の人数を初発のUICC病期分類別および再発に分けて集計しています。令和元年度に退院した延患者数となっているため、集計対象期間中に複数回入院された患者様はそれぞれ1例とカウントしています。延患者集計となっていますので、当院が提出している全国がん登録の件数とは異なります。

	初発					再発	病期分類基準	版数
	Stage I	Stage II	Stage III	Stage IV	不明	再発	病期分類基準	版数
胃癌	60	-	-	12	-	-	1	8
大腸癌	10	34	29	73	27	29	1	8
乳癌	-	-	-	-	-	-	1	8
肺癌	-	-	-	-	-	11	1	8
肝癌	-	-	-	-	13	13	1	8

【特性】
当院は消化器内科・外科では胃癌・大腸癌・乳癌・肝癌の患者様を、呼吸器内科では肺癌の患者様を多く診療しています。胃癌はstageⅠ期の患者様の割合が多くなっており、内視鏡検査やがん検診により早期に癌を発見し治療を行っている事が特徴となっています。
大腸癌ではStageⅣが多くなっていますが、一連の治療として手術後に化学療法を行っている場合が多く、延患者数で集計されている為、件数が多くなっています。再発患者が全体的に多い事も同様で、初回治療終了後の化学療法や他院より紹介され入院している患者様が多い為、件数が多くなっています。
UICC病期分類基準が不明になっている症例については治療前の検査入院や他院への紹介により、当該入院中の情報だけでは分類が出来ていない事等が理由としてあげられます。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

成人市中肺炎の患者様の人数を成人市中肺炎診療ガイドライン（日本呼吸器学会）による重症度分類別（A-DROPシステム※1）に分けて集計しています。成人の肺炎の指標となる為、小児肺炎は対象外となります。

重要度	患者数	平均在院日数	平均年齢
軽症	-	-	-
中等症	71	29.38	81.56
重症	-	-	-
超重症	-	-	-
不明	-	-	-

※1 A-DROPシステム
①男性≧70歳　女性≧75歳
②BUN≧21ｍｇ/ｄｌ　または脱水（+）
③酸素飽和度≦90％
④意識障害（肺炎に由来する）
⑤血圧（収縮期）≦90ｍｍHG

重症度0	上記5つの項目がいずれも満たさない	軽症
重症度1	上記5つの項目で1つを有する	中等症
重症度2	上記5つの項目で2つを有する	中等症
重症度3	上記5つの項目で3つを有する	重症
重症度4	上記5つの項目で4つを有する	超重症
重症度5	上記5つの項目で5つを有する	超重症

【特性】
当院の肺炎治療の特徴は、後期高齢者肺炎を積極的に受け入れている点です。そのため中等症以上が大多数を占めています。
重症度は年齢とともに上昇傾向にあります。平均在院日数も長期化傾向にあり、一因として肺炎軽快後のリハビリや摂食訓練、退院調整に時間を要する事が挙げられます。集計の件数に満たないため掲載されていませんが、中等症に比べ重症が少ない理由は、意識障害の評価基準を厳しくしていることが考えられます。当院では、仮に意識障害が疑われても背景に認知症がある場合は判断が難しいため、「肺炎由来の意識障害」とは評価しないことにしております。超重症の症例が少ないのは、意識障害の項目をとっていないことと、当院にはICUがなく、ショックや呼吸管理を必要とする超重症患者の受け入れが難しいことが理由として考えられます。
後期高齢者肺炎については中等症から重症まで幅広く対応しています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

ICD-10で脳梗塞等の分類にあたる患者様をICD-10コードの上3桁で集計しています。

ICD10		発症日から	患者数	平均在院日数	平均年齢	転院率
I63$	脳梗塞	-	59	39.31	79.15	1.69

【特性】
当院ではI63＄（脳梗塞）の発症3日以内の早期発症患者がほとんどを占めており、平均年齢が79.15歳と高齢なことが特徴となっています。転院患者数（転院率）は1件（1.69％）と回復期リハビリテーション等を活用し、ほぼ全ての患者様を転院せずに入院から退院まで診療を行っています。
他院での急性期治療終了後にリハビリ目的で入院される発症3日以降の患者様もいらっしゃいます。

診療科別主要手術別患者数等（診療科別症例数上位5位まで）ファイルをダウンロード

診療科毎に手術症例の多い順に上位5位まで集計しています。

内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K7211	内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径2cm未満）	109	0.30	1.10	0.00	65.33
K6532	内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層）	49	1.31	5.82	0.00	74.27
K688	内視鏡的胆道ステント留置術	35	10.97	19.57	2.86	79.29
K654	内視鏡的消化管止血術	29	3.66	12.66	0.00	75.24
K681	胆嚢外瘻造設術	22	7.68	30.64	9.09	76.73

【特性】
内科では消化器内科による胃や大腸の腫瘍に対する内視鏡的治療が多く行われています。

外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	平均年齢
K6335	鼠径ヘルニア手術	47	0.81	3.38	71.43
K7193	結腸切除術（全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術）	31	12.77	27.13	77.13
K672-2	腹腔鏡下胆嚢摘出術	24	7.63	8.71	60.00
K634	腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側）	17	0.76	3.00	68.65
K6113	抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置（頭頸部その他に設置した場合）	13	0.85	1.92	66.77

【特性】
外科では鼠径ヘルニアの手術が最も多く、開腹手術と腹腔鏡手術を合わせると64件になります。昨年よりも腹腔鏡の手術が増加傾向です。

整形外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K0461	骨折観血的手術（肩甲骨、上腕、大腿）	68	2.71	47.37	5.88	82.56
K0821	人工関節置換術（肩、股、膝）	30	4.03	30.80	0.00	74.97
K0811	人工骨頭挿入術（肩、股）	25	3.28	36.28	4.00	79.96
K0462	骨折観血的手術（前腕、下腿、手舟状骨）	19	1.89	16.21	0.00	67.95
K068-2	関節鏡下半月板切除術	14	0.14	3.86	0.00	52.36

【特性】
整形外科では関節外科手術が最も多く行われています。なかでも大腿骨や膝関節の手術が多いことが特徴となっています。大腿骨の手術であってもいくつかの術式から、それぞれに合った治療が選択されていることも上記から分かります。

眼科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K2821ﾛ	水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）（その他のもの）	271	0.62	1.24	0.00	74.83
K2801	硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む）	-	-	-	-	-
K246	角膜・強膜縫合術	-	-	-	-	-
K2822	水晶体再建術（眼内レンズを挿入しない場合）	-	-	-	-	-

【特性】
眼科は白内障に対する水晶体再建術が最も多くなっています。

その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード

播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置等の合併症の患者数と発生率を集計しています。

DPC	傷病名	入院契機	症例数	発生率
130100	播種性血管内凝固	同一	-	-
130100	播種性血管内凝固	異なる	-	-
180010	敗血症	同一	19	0.48
180010	敗血症	異なる	16	0.41
180035	その他の真菌感染症	同一	-	-
180035	その他の真菌感染症	異なる	-	-
180040	手術・処置等の合併症	同一	12	0.30
180040	手術・処置等の合併症	異なる	-	-

【特性】
当院の敗血症の発生率は入院契機の病名と同一のものが19件（0.48％）、入院後に何らかの原因で発症したものが16件（0.41％）となっています。
播種性血管内凝固、その他の真菌感染症については症例数が少ないため表示されていません。
手術・処置等の合併症の内訳は、入院契機の病名と同一疾患では12件（0.30％）と一定の確率で発生しています。合併症の発生を最小限に抑えられるよう診療に努めます。

更新履歴

2021年9月28日: 木戸病院令和2年度病院指標を公開しました

令和2年度 木戸病院 病院指標

令和2年度木戸病院病院指標