回復期リハビリテーション病棟とは
脳梗塞等の脳血管疾患または大腿骨や膝蓋骨骨折、脊椎圧迫骨折などの病気で急性期治療を脱しても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者様に対して、専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅復帰・社会復帰して頂くことを目的とした病棟です。
木戸病院はDPC(包括医療費支払い制度)を導入しております。患者さんが入院されますと診断名に応じて入院料や入院期間がきまります。多くの患者さんはまず急性期病棟(7、8、9階病棟)に入院となります。
急性期医療が終了しても、すぐに自宅に帰れない患者さんに回復期リハビリ病棟で疾患別(例えば診断名が脳卒中や大腿部頚部骨折等である場合、回復期リハビリ病棟に移ります)に集中的にリハビリを行い、早期に入院前の日常生活に復帰できるようにすすめる病棟です。
回復期リハビリテーション病棟入院の対象となる疾患
当院では下記の疾患の患者様を対象としております。
当院への転院のご相談もお受けしております。
-
- 025-273-2151
転棟までの流れ
当院では下記の疾患の患者様を対象としております。
①当院一般病棟から
②他院及び他施設からの転院
回復期リハビリテーション病棟に転入時には、患者さま及びご家族さまを含め、医師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカー・看護師等で日常生活動作(ADL)の評価を行い、リハビリに対する希望の確認・注意事項の確認をお取りし、安心して入院生活が送れるように配慮させて頂きます。
入院における留意点
- 病状の変化によりリハビリテーションを行うことが出来なくなった場合や、主治医が集中的な治療が必要と判断した場合には一般病棟へ転棟して頂く場合がございます。
- 入院中に他の医療機関(診療所・クリニック等含む)への受診は原則としてお断りさせて頂いております。また、ご家族様のみで他の医療機関にお薬をお受け取りに行かれることも原則としてお断りさせて頂いております。他の医療機関への受診の予定がある場合はあらかじめ病棟スタッフへご相談下さい。
- 今回の入院の疾病に係らない検査等は原則としてご遠慮いただいております。
回復期リハビリテーション病棟の目標
- 患者さまの日常生活動作(ADL)や意欲の維持・向上を目指します。また、リハビリで獲得した「できる能力」を日常生活に取り入れ、「している能力」となるよう目指します。
- 安心・安全にリハビリが進められるように援助し、二次合併症の予防や早期発見に努めます。
- 患者さま及びご家族さまと交流を深め、それぞれの目標が達成出来るよう支援します。また、患者さま及びご家族さまの精神面での変化にも気配りをしながら支援を行います。
- 患者さま及びご家族さまを主体として、他職種と協働し情報共有を行います。
回復期リハビリテーション病棟での目指す援助
※回復期リハ病棟のケア:10項目宣言
- 食事は食堂やデイルームに誘導し、経口摂取への取組みを推進しよう
- 洗面は洗面所で朝夕、口腔ケアは毎食後実施しよう
- 排泄はトイレへ誘導し、オムツは極力使用しないようにしよう
- 患入浴は週2回以上、必ず浴槽に入れよう
- 日中は普段着で過ごし、更衣は朝夕実施しよう
- 二次的合併症を予防し、安全対策を徹底し、可能な限り抑制は止めよう
- 他職種と情報の共有化を推進しよう
- リハ技術を修得し看護・介護ケアに生かそう
- 家族へのケアと介護指導を徹底しよう
- 看護計画を頻回に見直しリハ計画に反映しよう
具体的な活動について
1.デイルームの活用
- 昼食はデイルームをご利用していただきます
- リハビリ後の休息・水分摂取時にご利用していただけます
- リハビリ以外での離床に向けてテレビ・読書・塗り絵などでご利用していただけます
- 四季のレクリエーションでご利用していただきます
2.日中の普段着での取組み・靴の活用
- 患者さま・ご家族さまに理解頂き、朝夕の更衣を実践していきます
3.日中のカーテン解放を推奨
- 日内変動を整える為にカーテンの解放を行います
4.カンファレンス
- 週間予定表に基づき、医師・看護師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカー・管理栄養士など多職種で情報交換を行い、患者さまに対するより良い支援を検討しています。
5.退院支援
- 入院までの「患者様の生活者としての様子」を理解します
- 「きっとこうだろう」と言う医療者の先入観は持たず本音を傾聴致します
- 患者さま自身が自己決定する為の支援であり、実現出来るよう調整致します
施設基準
- 回復期リハビリテーション病棟入院料1
各部署からのコメント等
医療ソーシャルワーカー
患者さまやご家族さまより、退院についての心配事などをお聞きして、介護保険をはじめ公的制度のご紹介や手続きのお手伝いをしております。また地域の関係者の皆様(地域包括支援センターやケアマネージャー、訪問看護師、介護・福祉施設等)との連携を図り、退院後の生活が不安なく送れるよう一緒に考えていきます。どうぞお気軽にご相談下さい。
栄養科
リハビリの効果を得るために、栄養の力は欠かせません。栄養士も患者さまのもとに出向き、食事についてのお話を伺わせて頂いております。また、病棟スタッフと協力しながら食事の量・嗜好・形態などの調整、必要時には補助食品を提供するなど、栄養サポートを行わせて頂きます。
看護師
看護師はゆっくり時間をかけて寄り添い、不安や悩みを軽減し入院生活をサポートする役割を担っております。そして、患者さま、ご家族さまの思いや病気に対する受け止め方を確認しながら、生活を見据えた退院支援を他職種とともに行っていきチームアプローチを計画していきます。
リハビリテーション科
-
-
- 理学療法士(PT)
基本動作専門のセラピストです。寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指していきます。それぞれの患者さまに担当者が付き添い、個別対応をさせて頂いております。 - 作業療法士(OT)
生活動作専門のセラピストです。入院前の生活になるべく近い状態に戻れるように、各患者さまに違った生活動作のリハビリを行わせて頂いております。また、「ひととなり」の理解に努め、趣味や創作活動などの楽しみもリハビリの一環として行っております。 - 言語聴覚士(ST)
ことば・飲み込み動作専門のセラピストです。日常のコミュニケーションに支障がある方、食べたり飲んだりすることに支障がある方へのリハビリを行わせて頂いております。また、コミュニケーションの場の提供や机上での課題を通して認知症予防にも取り組んでおります。
- 理学療法士(PT)
-
薬剤師
薬剤師は患者さまが安心してお薬を飲めるよう、安全管理に努めさせて頂いております。また退院後の生活に合わせたお薬の管理が出来るように、処方内容の見直しや服薬方法を患者さまと一緒に検討しております。